【医師の経営貢献】
- Matsumoto Yuki
- 8月2日
- 読了時間: 3分
過疎地病院で「循環器内科の収益を4倍」にした話〜集患せずに、収益も信頼も高める診療戦略〜
「患者が少ないから、もうどうにもならない」「この病院は赤字続きで、医師がいても無駄だ」
そんな声を、私は何度も耳にしてきました。私は循環器内科医として、医局の人事でこれまで複数の過疎地域の病院に勤務してきました。赴任先はいずれも「医師不足」「経営難」「過疎化」という3重苦を抱えた医療機関ばかり。
しかし、ある年の赴任先では、循環器内科の月間収益が8,000万円に達し、前年比で実に4倍以上という結果を出すことができました。しかも、一切の集患活動を行わずに、です。
✅ なぜ、患者数を増やさずに収益が4倍になったのか?
答えはシンプルです。
**「すでに通院している患者さんの診療に、徹底的に向き合った」**からです。
■ Step1:通院患者を徹底評価
症状の聞き直し・診察の見直し
治療介入のタイミングを逃さず、必要であれば入院治療へ切り替え
外来で済ませていた患者も、実は入院による精査・治療が望ましいケースが少なくありませんでした。
■ Step2:DPC(診断群分類)を見直し、不要な医療を削減
不要な点滴・検査の見直しと削除を徹底
無駄なオーダーをなくし、必要な検査・治療に絞る
結果的に、医療資源の効率化と収益率の改善が両立されました。
■ Step3:自らの手で専門手技を行う
それまで病院で実施されていなかった循環器の専門手技を自分で施行
手技収益の増加だけでなく、紹介ではなく院内で治療完結する体制を構築
もちろん、手技には合併症のリスクが伴います。そのため、患者さんへの十分な説明と同意取得は徹底しました。
📈 数字は「信頼と介入の結果」にすぎない
収益を上げることが目的だったわけではありません。通院中の患者さんに対し、「今、必要な治療を、今ここで提供する」ことを一貫して行った結果、その対価として、病院の収益も改善された。それだけのことです。
🏥 医師が変わると、病院は変わる
過疎地の医療において、「集患」や「外向きのマーケティング」は、まず優先順位が低いと私は考えています。
目の前の患者に対して、必要な検査・治療を丁寧に行うこと。そして無駄を削ぎ、過不足なく医療資源を使うこと。それだけで病院は変わります。
✍️ 最後に
「地方病院ではどうせ何も変えられない」と思っている医師や経営者にこそ、私は声をかけたい。今そこにいる患者のニーズを拾い、適切に対応する。その積み重ねが、収益・信頼・病院の未来を支えるのだと私は信じています。
💬 ご相談・お問い合わせはお気軽に
もし「うちの病院でも同じような改善ができるだろうか?」「具体的にどうやってDPCや手技収益を見直したのか知りたい」そんな方は、お問い合わせフォームからぜひご連絡ください。
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